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離婚届不受理申出とは? 勝手に離婚届を出された場合の法的効果は?

2021年09月21日
  • その他
  • 離婚届不受理申出
離婚届不受理申出とは? 勝手に離婚届を出された場合の法的効果は?

夫婦げんかの際に、勢いで離婚届に署名して相手に渡してしまうことはよくあることです。その後、離婚届を破らずに相手が持っていると、勝手に提出されてしまうリスクがあります。

このように、勢いで離婚届を書いてしまったけれども、今は離婚する気がないというとき、勝手に離婚届を出されるのを防ぐ方法、それが離婚届不受理申出の制度です。

本記事では、そもそも離婚届を出せるのは誰なのか、妻が離婚届を書いて夫に渡してしまった場合に夫がその離婚届を出したらどうなるのか、離婚を防ぐにはどうしたらいいのか、などについてベリーベスト法律事務所 沼津オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、離婚届を提出できるのは誰?

そもそも離婚届を提出できるのは誰なのか確認しておきましょう。
離婚届を出せるのは原則として離婚する当事者、つまり夫と妻です。一人で提出することもできますし、二人で提出することもできます。
届け出を行う際には、本人確認書類を持参する必要があります。

夫婦以外にも、届出人(夫婦)本人が作成した離婚届を、使者に託して提出してもらうこともできます
使者が窓口に離婚届を提出する場合、委任状は要りません。

本人ではなく、使者が離婚届を提出した場合は、後日、本人に届け出がなされたことを知らせる通知書が届きます。また、夫婦のうち、片方だけで提出した場合も、他方の配偶者に、郵便で通知が届きます。

2、勝手に離婚届を出された場合、受理される?

  1. (1)協議離婚が成立する要件

    離婚届は、夫婦が離婚するという合意を書面に表したものです。
    離婚届には、夫婦それぞれと証人ふたりが署名と押印をして、住所地や本籍地の役所に提出します。そして、離婚届を提出する時点で、夫婦双方の離婚意思があることが離婚成立の条件です。

  2. (2)離婚届が勝手に出される場合とは?

    離婚届が勝手に提出される場合には、大きく分けて二つあります。

    一つは、夫が妻の署名欄を勝手に記入して、妻のまったく知らない間に提出してしまう場合です。いわゆる文書偽造に該当するようなケースです。
    この場合でも、書面上必要な記入欄が全部埋まっており、押印があれば、役所では離婚届として受理されてしまいます

    二つ目は、以前に妻自身が記入した離婚届を、夫がそのまま提出してしまうという場合です。
    夫婦げんかをした時などに、いきおい余って離婚届にサインしてしまうことがあります。
    その後離婚を思いとどまり夫婦としてやっていこうと決意した場合でも、一度記入した離婚届を夫が手元に残しており、あとから勝手に出してしまうというケースがあるのです。
    この場合も、役所に提出された離婚届は受理され、離婚が成立してしまいます。

  3. (3)離婚するつもりがないのに離婚届が出されたらどうなるのか

    たとえ妻が離婚に同意していない場合であっても、協議離婚届の書面が形式的に整っていると、役所で受理されてしまいます。
    協議離婚届を受理する役所としては、書面上記載すべき要件が書かれているのか形式上のチェックしか行いません。夫婦双方が本当に離婚の意思を持っているのか、二人が納得して離婚届を出しているのか、その気持ちを確認する手続きはないのです。

    このため、勝手に離婚届が出された場合でも、形式的に記入が整っていれば、離婚が成立してしまうことになります。離婚が成立すると、戸籍上の妻の欄が抹消され、夫婦は法律上の他人となります。
    このように、夫婦の一方が勝手に離婚届を提出してしまう事例がしばしば見られました

  4. (4)勝手に出された離婚届を取り消せるのか

    離婚する意思のない側からすると、勝手に離婚届を出されて離婚されると大変なことになります。
    そして、いったん離婚届が受理されて離婚が成立すると、簡単にはもとに戻すことができません

    戸籍を離婚前の状態に戻すためには、家庭裁判所に対して、「協議離婚無効確認の調停」や、場合によっては「協議離婚無効確認の訴え」を起こさなければならないのです。
    これには大変な時間と手間がかかります。

    したがって、離婚届を出されそうな気配があれば、妻としては先に手を打っておきたいところです。その先手として有効な方法が、「離婚届の不受理申出制度」なのです

3、離婚届不受理申出とは?

離婚届不受理申出制度は、離婚届が出される前に、役所に対して、離婚届が提出されても受理しないように届け出ておく制度です。
離婚届不受理申出さえしておけば、自分の知らない間に夫が勝手に離婚届を提出したとしても、役所では離婚届出が受理されません。結果として、知らない間に離婚が成立していたという事態は避けることができるのです。

なお、不受理申出は、離婚届だけでなく、婚姻届、養子縁組届、養子離縁届、認知届についても同様に手続きをすることができます。いずれも、自分の戸籍上の身分が勝手に変更されないように、自分を守る手段として保障されているのです。

4、離婚届不受理申出書を提出するまでの手続きの流れ

  1. (1)離婚届不受理申出書を入手する

    離婚届不受理申出書は、お住まいの地域の役所の戸籍課・住民登録課などで入手できます。婚姻届や離婚届と同じような書式です。もし役所で見当たらなければ、窓口に声をかけて、書類をもらいましょう。

  2. (2)離婚届不受理申出書を記入する

    離婚届不受理申出書は、自分一人で作成することができます。したがって、書類を受け取って、その場で記入してすぐに出すこともできます。
    もちろん、いったん持ち帰って記入して出すこともできます。

    離婚届不受理申出に記入するべき事項を上げておきます。

    • 申出日
      離婚届不受理申出書を提出する日付を記入します。
    • 宛先
      届出をする本人の本籍地の市区町村長の名前を記載します。本籍地以外の役場(住民票がある市町村等)に提出する場合でも、書類上の宛先は本籍地の市町村長となります。
    • 申出人の表示等
      届出をする本人の「氏名」「生年月日」「住所」「本籍地」「戸籍の筆頭者氏名」、配偶者の「氏名」「生年月日」「住所」「本籍地」「戸籍の筆頭者氏名」をそれぞれ記載します。
    • 申出人署名押印
      届出をする本人が署名し、押印します。印鑑は実印である必要はありません。認め印でも大丈夫です。署名は必ず自筆で本人が行う必要があります。
    • 申出人連絡先
      届出をする本人の現住所と、平日の日中に役所から連絡のとれる電話番号を記載してください。なお、記載に不備がなければ、連絡が入ることは通常ありません。
  3. (3)離婚届不受理申出書を提出する

    書類を記入し終えたら、役所の戸籍担当窓口へ提出しましょう。
    提出できる役所は、申出人の本籍地、住所地、所在地のうちいずれかの市区町村役場とされています。

    ただし、役場によって取り扱いの違いがありますので、提出前には電話などで事前に確認しておくと安心です

    なお、提出の際には、届出をする本人が、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類を持って、窓口に行く必要があります。
    郵送による提出は認めていない役場が多いので注意しましょう。

    また、記入ミスなどがあった時に備えて、離婚届不受理届出書に押した印鑑を持参するようにしましょう。
    当然ですが、離婚届不受理届の提出には、配偶者の同意も同席も必要ありません。夫婦のどちらか一人だけで提出することができます

  4. (4)提出後の流れと法的効果

    以前は、申出の有効期間は役場で受理されてから最長で6か月までという制限がありました。その後、法律が改正され、平成20年5月1日以降は申出期間の制限は撤廃されました。つまり、本人による取り下げがあるまで、離婚届不受理申出の効果が将来にわたってずっと続くわけです。

    不受理の申出がいったんなされると、離婚届を提出しても、受理されません。たとえ不受理申出を行った本人であっても、そのままでは離婚することができないのです。したがって、不受理の申出がされた後に協議離婚をする場合は、不受理の申出をした本人が、不受理の申出を取り下げる必要があります。それほど、離婚届不受理申出の法的効果は強いものなのです

  5. (5)離婚届不受理申出を取り下げるには

    なお、離婚届不受理申出を取り下げる場合は、不受理申出取下書という所定の書面を役場に提出する必要があります。その際には、身分証明書と印鑑が必要ですので、忘れずに持参しましょう。

5、離婚届不受理申出をしたことは配偶者にバレる?

離婚届不受理申出をしたことを、相手に知られたくないという方もいます。実際のところ、役所に不受理申出をしただけでは相手にばれることはありません。役所から相手に何らかの通知が行くわけではないからです。

ただし、相手に不受理申出をしたことがバレる場合があります。それは、相手が離婚届を役所に提出しようとしたときです。

この場合、離婚届を出そうとすると、役所の窓口で、「不受理申出がされているために受理できない」といって受理されません。その結果、離婚届不受理届出をしたことが相手にわかるという流れです。

なお、離婚届不受理申出は、れっきとした権利です。相手に同意なく一人で提出できるものであり、離婚届不受理申出をしたことを理由に相手から文句を言われる筋合いはありません。

この制度は、例え相手と離婚したいと考えている場合でも同様です。
いずれは離婚したい、離婚は不可避である、と考えていたとしても、まずは不受理申出を利用するべきです。
なぜなら、勝手に離婚できないようにしておけば、その後相手と有利な交渉を展開することができるからです。
自分の権利を守るために、不安から離れて冷静に考えるためにも、離婚届を勝手に出されそうな場合には、速やかに不受理申出の届けを出すことを考えてみてください
その上で、今後の対応をどうすべきか、弁護士などの専門家にアドバイスを受けると安心です。

6、まとめ

本記事では、離婚届が勝手に出されそうな場合の対応方法として、離婚届不受理申出について詳しく説明しました。離婚問題や夫婦関係の悩みは、精神的にもダメージが大きく、一人で抱えていると不安がどんどん増えていくこともあります。また、夫婦だけでなく、夫の両親も関係している場合は、より対応が難しく、一人で解決することが難しいと感じる方も多いものです。

ベリーベスト法律事務所 沼津オフィスでは離婚はもちろん、婚姻費用、不貞慰謝料など、離婚時の財産分与など家族や男女問題にかかわるあらゆるご相談に応じています。ぜひ一度弁護士までご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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