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養育費に連帯保証人をつけることは可能? 未払いを防止するには?

2023年03月28日
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養育費に連帯保証人をつけることは可能? 未払いを防止するには?

令和2年における静岡県沼津市の婚姻件数は1692件、離婚件数は474件でした。

養育費の未払いを予防するための方法のひとつが「連帯保証人」を付けることです(養育費保証)。ただし、養育費に連帯保証人を付けるためのハードルは高く、現実的には難しいケースが多といえます。また、連帯保証人を付けられなくても、離婚公正証書を作成すれば、養育費の未払いをある程度防ぐことができます。

配偶者と離婚する際には、離婚協議や離婚公正証書の作成に関して、あらかじめ弁護士に相談しておきましょう。本コラムでは、養育費に連帯保証人を付ける際の要件や注意点、養育費の未払いを防止するための対策などについて、ベリーベスト法律事務所 沼津オフィスの弁護士が解説します。

1、養育費に連帯保証人を付けることはできる?

離婚後に元配偶者からの養育費の支払いを確保する対策として、不払いとなった際には代わりに支払ってもらう「連帯保証人」を付けることが考えられます。
ただし、法律上は養育費に連帯保証を付すことも可能ですが、現実的には難しいケースが多いと言えるのです

  1. (1)権利者と連帯保証人が合意すれば可能

    権利者(養育費を受け取る人)と連帯保証人の合意があれば、養育費について連帯保証を付すことができます

    養育費の連帯保証にあたって、義務者(養育費の支払い義務がある人)の同意は必要ありません。
    しかし、実際には、連帯保証人は義務者の親族などが連帯保証人となるケースが多いでしょう。
    その場合には、義務者と権利者が締結する離婚公正証書などで連帯保証を定めて、連帯保証人が連名で締結するのが一般的です。

  2. (2)書面での締結が必要

    連帯保証契約は、書面で締結しなければ効力を生じません(民法第446条第2項)。
    したがって、養育費の連帯保証についても、書面で定める必要があります。
    また、保証の対象となる債務に不特定のものが含まれる場合は「根保証」にあたり、個人を保証人とする場合は極度額(=保証の上限額)の設定が必須です(民法第465条の2第2項)。

    養育費の支払期間と金額が明確に決まっている場合は根保証にあたらず、極度額の定めは不要と考えられます。
    これに対して、これらが明確に決まっていない場合は、根保証に当たる可能性があるので、極度額を定めた方がよいでしょう

  3. (3)公証人は難色を示す可能性あり

    離婚公正証書において養育費の連帯保証を定めようとする場合には、公証人から難色を示される可能性があります。

    ただし、養育費の連帯保証は法的に禁止されているわけではありません。
    公証人が難色を示したとしても、離婚公正証書を締結する当事者の合意があれば、養育費に連帯保証を付すことはできます。

  4. (4)審判・判決では、連帯保証は認められない

    養育費の支払いについて合意できない場合、最終的には家庭裁判所の審判または離婚訴訟の判決によって養育費のルールが定められます。

    審判や判決による場合、養育費に連帯保証を付すことは認められません
    離婚協議を通じた妥結でのみ、養育費に連帯保証を付すことが可能です。

2、養育費の未払いを防止するには、離婚公正証書の作成を

養育費に連帯保証を付すためのハードルは高く、現実的には難しいケースといえます。

しかし、連帯保証を付けることができなくても、離婚公正証書を作成しておけば、養育費の不払いを予防することができるのです

  1. (1)離婚公正証書とは

    離婚公正証書とは、離婚する旨や離婚条件などを記載した公正証書であり、公証役場にいる公証人によって作成されます。

    離婚する際には、その後のトラブルを予防するために、離婚公正証書を作成することをおすすめします

  2. (2)離婚公正証書を作成するメリット

    公証人が作成する公正証書には、当事者が作成・締結する通常の契約書に比べて、高い信頼性が認められています。
    また、契約書面としての有効性は公証人がチェックするため、後で離婚条件についてもめるリスクも抑えられます。
    さらに、離婚公正証書の原本は公証役場で保管されているため、紛失や改ざんを防止することもできるのです。

    そして、離婚公正証書に「強制執行認諾文言」を記載しておけば、養育費などの金銭債務が不払いとなった場合には、直ちに強制執行を申し立てることができます。

    ※強制執行認諾文言:債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述を記載した公正証書の文言(民事執行法第22条第5号)


    このように、離婚公正証書を作成すれば、養育費の不払いを含む離婚後のトラブルのリスクを最小限にすることができます。
    離婚する際には、弁護士のサポートを受けながら、離婚公正証書を作成するようにしましょう

3、未払いの養育費を回収する強制執行手続きの流れ

もし養育費が未払いになった場合は、離婚公正証書などを用いて、裁判所に強制執行を申し立てましょう。

強制執行手続きの流れは、以下の通りです。

  1. ① 債務名義の取得
  2. ② 元配偶者の所有財産・住所の調査
  3. ③ 強制執行の申し立て
  4. ④ 差押え・換価処分・弁済充当



  1. (1)債務名義の取得

    強制執行の申し立てには、「債務名義」と呼ばれる公文書の提出が必要です。

    <債務名義の例>
    • 確定判決
    • 仮執行宣言付判決
    • 和解調書
    • 審判書
    • 調停調書
    • 仮執行宣言付支払督促
    • 強制執行認諾文言付公正証書(執行証書)


    強制執行認諾文言が記載された離婚公正証書は、強制執行の債務名義として用いることができます。
    養育費などの不払いに備えて、離婚時には離婚公正証書を作成しておきましょう。

    離婚公正証書がない場合は、訴訟などの手続きを通じて債務名義を取得する必要があります

  2. (2)元配偶者の所有財産・住所の調査

    強制執行の申し立てを行う前に、義務者である元配偶者が所有する財産を調査する必要があります。

    強制執行を申し立てる際には、差し押さえるべき債務者財産を特定する必要があるためです。

    <差し押さえられる財産の例>
    • 預貯金
    • 給与債権
    • 不動産
    • 自動車
    • 生命保険の解約返戻金請求権


    元配偶者が所有する財産の所在が分からない場合は、弁護士に相談してください。
    弁護士であれば、弁護士会照会(弁護士法第23条の2)や財産開示手続(民事執行法第196条以下)・第三者からの情報取得手続(同法第204条以下)などの方法によって、差し押さえるべき財産を把握することができます。

    また、強制執行の申し立てにあたっては、元配偶者の住所を把握することも必要になります。
    元配偶者の住所は、戸籍の附票や住民票の除票などから確認できます。
    弁護士であれば、職務上請求によって、これらの公的書類を取得することが可能です

  3. (3)強制執行の申し立て

    債務名義が手元にあり、かつ差し押さえるべき財産と元配偶者の住所も把握できたら、裁判所に強制執行を申し立てましょう。

    強制執行の申立先は、差し押さえるべき財産の種類に応じて、次のように決まります。

    1. (a)不動産執行
      不動産の所在地を管轄する地方裁判所(民事執行法第44条第1項)

    2. (b)船舶執行
      強制競売の開始決定時における船舶の所在地を管轄する地方裁判所(同法第113条)

    3. (c)動産執行
      差し押さえるべき動産の所在地を管轄する地方裁判所に所属する執行官

    4. (d)債権執行
      債務者(元配偶者)の普通裁判籍の所在地(住所など)を管轄する地方裁判所(同法第144条第1項)


    強制執行の申し立てに必要な書類などについては、管轄裁判所の窓口や弁護士に確認してください。

  4. (4)差押え・換価処分・弁済充当

    強制執行の申し立てをして、執行裁判所(または執行官)が対象財産を差し押さえた後には、換価処分等を経て、不払いとなっている債権の弁済に充当します。

    弁済充当をした後、残額があれば債務者に返還されます。

4、離婚問題を弁護士に相談すべき理由

配偶者との離婚を検討されている場合、以下のような理由から、早い段階から弁護士に相談することをおすすめします

  1. (a)適正な離婚条件がわかる
    弁護士は、財産分与・慰謝料・婚姻費用・親権・養育費・面会交流などの離婚条件について、裁判例等に照らした適正な水準をアドバイスすることができます。

  2. (b)離婚手続きの対応を一任できる
    離婚協議・離婚調停・離婚訴訟などの手続きは、すべて弁護士に任せることができます。配偶者と顔を合わせて交渉する必要がなくなるため、時間的な負担や精神的なストレスを軽減することができるでしょう。

  3. (c)離婚公正証書の作成も全面サポート
    弁護は、内容の検討・案文の作成・公証人との調整などを含めて、離婚公正証書の作成についてサポートやアドバイスを行います。


スムーズに離婚を成立させるためには、弁護士のサポートが大いに役立ちます。
配偶者と離婚したい方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

養育費に連帯保証を付すことは可能ですが、連帯保証人の同意を得る必要があるなど、さまざまな法律上の注意点が存在します。
実際には、養育費に連帯保証を付すことは困難である場合が多いでしょう。

養育費の不払いを予防するためには、離婚公正証書を作成することをおすすめします
離婚公正証書に強制執行認諾文言を記載しておけば、養育費が不払いとなった際に、直ちに強制執行を申し立てることができます。

ベリーベスト法律事務所は、離婚公正証書の作成を含めて、離婚に関する手続を全面的にサポートいたします
離婚請求・養育費請求に関するお悩みは、まずはベリーベスト法律事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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